2009年11月28日土曜日

テクノロジーを隠すSaaS/Cloud Computingビジネス

ASP/SaaS啓蒙活動に十年程従事して参りました経緯から、国内の通信企業、ハードウェア・ベンダー、ソフトウェア・ベンダー、システム・インテグレータ、情報機器流通事業者、情報通信業界紙等々のASP/SaaS企画担当部門あるいは経営層の皆様と直接お会いし、ASP/SaaS事業について意見交換をし、ご助言を申し上げる機会を数多く頂きました。
この経験を通じて、私自身への反省も込めて、情報通信関連事業者の皆様にお伝えしたいのは、「SaaS/Cloud Computingビジネスはテクノロジー・ビジネスではない」ということです。SaaS事業への参入をされている、あるいは検討されている企業の方々とお会いすると、必ず技術担当の方々が出席され、マーケティングや営業担当の方のご出席は少ないという印象を受けています。実際、各企業のSaaS事業企画担当については、殆どすべての企業で技術担当の方々を中心に組織化されています。
SaaS/Cloud Computingビジネスはテクノロジーを隠す、すなわちテクノロジーを主張してはいけないビジネスだと、私は考えています。技術者というのは、どうしてもテクノロジーを前面にかざして、その優位性を主張してしまう癖があります。このため、技術者中心にSaaS/Cloud Computingビジネス企画を行うと、どうしても技術偏重的な事業計画が立てられてしまいます。これが、日本国内のSaaS/Cloud Computingビジネス市場を振興する障害になっているという印象を禁じえません。
ここで、ご提案申し上げたいのは、SaaS/Cloud Computingビジネスを振興するには、それがユーザ、マーケット・ニーズ主導であるべきであり、決して技術主導であってはならないという意識改革が情報通信業界側に必要であるということです。

1 件のコメント:

  1. ユーザ、マーケット主導にするため、S3Pの活動を考えなければなりませんね。
    企業は提供することしか余裕がなく現状考えられないでしょう。S3Pとしての活動だからできることだと思うのです。

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